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雑草の詩

草野球とアメリカン・フォークが好きな「村長」です

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幸太朗君、恩返しの勝利!

ヘスケス選手のトライで強豪南アフリカに歴史的勝利を挙げたラグビー日本代表。実に24年ぶりの一勝でした。試合前の国家斉唱で涙を見せていた15番(フルバック)の五郎丸歩選手は、「黄金の右足」と独特の「拝みポーズ」で7本のキックと1本のトライを決め殊勲者の一人と言ってもいいだろう。
 その日本代表に異色の選手がいる。WTBの松島幸太朗選手(22歳、サントリー所属)だ。昔風に言うと「ウィング」というポジションの選手だ。彼は生まれも育ちも南ア。サッカーやラグビーを南アで覚え、世界最高の場所で体を鍛えた。先日の試合でもタックルやボール回しでチャンスを生かし相手の攻撃をおさえたり、獅子奮迅の活躍を見せた。試合後のウィニングランで大きな日章旗を掲げながらグラウンドを走る松島選手がいました。
 過去の8大会すべてに出てはいるものの、1勝2分21敗という世界ランク13位の日本が過去優勝2回の三位南アを破るなんて考えてもいなかった。ネットで「桐谷美玲が吉田沙保里に勝つようなもの」なんて比喩されるほどの快挙と言っていいだろう。
 特筆すべきは29-32とリードされていたロスタイム=ラストワンプレーで、敵ゴール前で得たペナルティの場面での日本が選択した作戦。無難に成功率の高いPGを五郎丸選手に蹴らせて同点引き分けを狙うか、リスクは高い逆転勝ちのトライを狙うか。日本が選択したのはスクラム、つまり5点をとりにいったのだ。会場のイングランド観客から大きな拍手。実は、南アの32点目は似たような選択場面でPGによって挙げた3点だった。観客からは大ブーイングが起きていた。王者は無難な策、小さな挑戦者は果敢な策を選んだことへの拍手だった。
 今夏の甲子園では元ラグビー日本代表監督も務めた清宮克幸氏の長男早稲田実業の清宮幸太郎君が注目されたが、今や松島幸太朗君に注目だ。ぜひ予選を勝ち抜いて、フロックでは無い、という証明をして欲しい。意外にも今回のW杯が初出場だという五郎丸選手が言った。「歴史は一つ変えた」
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