日曜日、孫たちが遊びに来た。そして、夕方、恒例となった食事処選びとなる。一番候補に回転すし。続いて焼肉店、ちょっと遠いが中華料理店。近間でうどん屋、ファミレスなどが挙げられたが、新規候補として牛丼家が選ばれた。近くて安いからだとか。
皆で、話題(?)のすき焼きセットを堪能しての帰路。娘が凄いエピソードを披露してくれた。昔(いつごろかは忘れた)流行った「一杯のかけそば」ならぬ「一杯の牛丼」の話。「一杯のかけそば」は母と二人の子供が大晦日の夜に、一杯のかけそばを三人で分けて食べるという涙なくしては語れないお話だ。
2011年3月11日。東北地方を巨大地震が襲った。道路は寸断され、津波などで大勢の人が命を落とした。青森も停電と断水などで晩御飯にありつけない人が多かった。オール電化の住宅に住む孫たちは料理を作れないため町に出て、コンビニ、食堂、ラーメン店などを探す。しかし、全て売り切れ。
それでもと開店している牛丼店を見つけて入る。勿論ガス・水道・電気が無い店で食べれるものは無かった。親子三人が店を出ようとすると店員さんが、「自分用に作った牛丼が一杯だけある。冷たくなっちゃったけど、それでよければ差し上げる」。
店員さんが断るのを押し切って一杯分のお金を置いて三人は帰宅。キャンプ用のガスボンベでそれを温めてたべることに。母親は冷蔵庫から引っ張り出した漬物やサラダを食べ、牛丼は孫二人で分けることとなった。
ここまでは心温まる展開なのだが、一杯の牛丼の分け方が異常だった。思わず爆笑するほどの衝撃だった。なななーんと「一杯の牛丼」を上下二等分して分け合ったのだ。下のご飯部分を弟、上の牛肉と玉ねぎは姉が。なんだそりゃ!その分け方が、二人で出したWinWinの結果なのだ。へんな姉弟!
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