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雑草の詩

草野球とアメリカン・フォークが好きな「村長」です

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中学1年の大火傷

 恐らく、この事実を中学の同級生は知らないと思う。

 中学校に入学して野球部員に選ばれ、ほぼ一年が過ぎようとしていた3月初め。利き腕の右手に大火傷を負ってしまった。

 当時住んでいた諏訪市は温泉街として知られ、全国でも珍しい水道ならぬ湯道が市内にめぐらされていました。組合員は独特の形をしたカギで湯道の蛇口を捻りお湯を汲むのです。20リットルのブリキのバケツを二つ、天秤棒でバランスをとりながら家までの300m位を毎朝一往復するのが村長の日課でした。
 その日もいつものようにお湯を汲むと天秤棒に弦を通してエッサエッサと家を目指しておりました。あと数メートルで玄関というところで水溜りに残っていた雨水が凍っていたのでしょう。少しツルッと足を滑らせて転倒してしまったのです。このとき右腕に20リットル弱のお湯がモロにかかってしまったのです。
 すぐに近所の外科医に行ったのですが診断は全治2週間。幸いなことに学校は休まなかったし、三角帯で右手を吊った痛ましい姿は多分クラスメイトには見られなかったと思います。中学2年の始業日には何事もなかったように登校しました。そしてまた野球部にも入ろうと(選抜されようと)キャッチボールF君と始めたのです。
 不幸はこのキャッチボールの最中起きました。二週間なにも動かさずにいた右腕の筋力が落ちていたのでしょう。無理して遠投をしていたとき右肘に激痛が走ったのです。結局この年は野球部入部を断念せざるを得ませんでした。

 ちなみに、どうしても野球部に入りたい一心F君に捕手をお願いして、左投げを練習しましたがダメでした。そりゃそうだ、数ヶ月間でボール投げ50mまでは伸びたし、暴投も10球に一回くらいになってはいましたが、野球部に入るには程遠い能力ですから。

 PS.三年生になり晴れて野球部員に選ばれました(F君は野球部の記録係に)。今思うと、控えではありましたが下手投げの投手になったのはあの時の火傷が影響したのかも知れませんね。
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